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技術解説: ゼロカーボンと塗装 - 1

平野克己

地球温暖化の影響で、日本全体が集中豪雨に見舞われた。遅ればせながら、日本政府も2050年ゼロカーボンを宣言した。塗装ラインも2000年に入り、CO2削減がテーマに上がったもののVOC問題が先行し、実質的な取組みはゼロであった。ここでは、ゼロカーボンに関する基礎用語の解説 (-1) から、実際の塗装ラインをLCAの観点で見直す (-2) とともに、標準的な塗装ラインからのCO2の排出量の算出方式 (-3) を示す。

1. 地球温暖化

ここで地球という以上、地球に関与する「太陽」「月」を科学的に把握する必要がある。

1.1 太陽とは

太陽の出現: 約46億年前に超新星の爆発で水素だけの塊。 水素と水素の核融合反応でヘリウムを生成 (熱発生)。

[図]

1.2 太陽の実体 (数値)

直径 約139万km

質量は1.9891×1030kgとなり、これは地球の33万倍

成分: 水素90%と核融合の結果のヘリウム10%ガスの塊

発熱: 4×1023kW、地球へ届くエネルギーは200兆kW、これは原子力発電所2億基分

寿命: 50億年

[図]

2. 再生可能エネルギー (英語のrenewable energyの訳)

IPCCの再生可能エネルギーと気候変動に関する特別報告書 (SRREN) では、「太陽・地球物理学的・生物学的な源に由来し、自然界によって利用する以上の速度で補充されるエネルギー全般」と定義される。

再生というとリサイクルをイメージするが、全く無関係で「自然に補充される」だけである。

[図]
種類エネルギー量
水力5億 Kcal
潮流7億 Kcal
地熱77億 Kcal
風波880億 Kcal
太陽エネルギー
1200 kWh/m2 (日本)
420,000億 Kcal

3. 地球温暖化

[図]

温室効果ガスが宇宙へ輻射すべき熱を地球に押し戻す量大

[図]

気象庁資料

4. ゼロカーボン、カーボンニュートラル (CN) とは

菅首相が「2050年ゼロカーボン」を宣言した。このゼロカーボンとは何か、また、同義語でカーボンニュートラル (CN) とは。地球の観点でCO2の出入りを見ると、植物はCO2を吸収するが、動物や人間活動はCO2を排出している。現在の日本では排出量の方が圧倒的に多いが、この吸収量と排出量が釣り合うことをカーボンニュートラル、ゼロカーボンと言う。

カーボンは英語では「炭素」であるが、温暖化では、炭酸ガス(CO2)に使われる。

4.1 植物の吸収とは

昔は中学の理科で「炭酸同化作用」と習ったが現在は「光合成」の方が一般的である。

ウィキペディア (Wikipedia) には「植物プランクトン、藻類などの光合成色素をもつ生物が行う、光エネルギーを化学エネルギーに変換する生化学反応のこと。光合成生物は光エネルギーを使って水と空気中の二酸化炭素から炭水化物 (糖類: 例えばショ糖やデンプン) を合成している (炭素固定)」とある。

ただ、夜間は酸素を吸って炭酸ガスを出すが、昼夜の量では圧倒的に昼間の量が多く、CNでも植物の炭酸ガス吸収量とされる。

[図]

家電製品協会HP

4.2 日本、世界のCO2排出量

[図] [図]