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技術解説: 自動車塗装情報 - 2

水性クリア塗料の開発

片山眞司

これまでVOC削減対策として中塗り、上塗りベースは水性塗料が普及してきたが、開発難易度が高い水性クリア塗料は溶剤系塗料が残ってきた。しかし更なるVOC削減や塗装ブースの排気リサイクル率UPによるCO2排出量削減のためにも、水性クリア塗料の開発が待たれてきた。

本稿では関西ペイント株式会社様 (以下関西ペイント) が溶剤クリア塗料に近い塗膜性能を有する水性クリア塗料の開発に成功されたので紹介する。なお、Press Releaseでは自動車補修用となっていますが、将来的には量産ラインへの採用が期待されます。

2022年10月20日

自動車補修用オール水性システムを更にバージョンアップ

~溶剤塗料並みの高作業性と高仕上がりを実現し真の実用レベルへ~

関西ペイント株式会社 (本社: 大阪市中央区、代表取締役社長: 毛利訓士、以下「関西ペイント」) と、関西ペイント販売株式会社 (本社: 東京都大田区、代表取締役社長: 寺岡直人、以下「関西ペイント販売」) は12月1日より、更にバージョンアップした自動車補修用オール水性システム『レタンWBエコ EV システム 3.0』(以下『EV システム 3.0』) の試験販売を開始いたしますのでお知らせいたします。今後試験販売を経て、来春全国一斉に本格販売する予定です。

■バージョンアップの背景

環境問題が一層重視される中、自動車補修業界においても従来の溶剤系塗料から、環境に配慮した水性塗料への置換が求められています。一方で、溶剤塗料並みの乾燥性と仕上がり姓を水性塗料で達成する技術面の課題が残っています。また、ESGの観点では、業界として生産性向上だけでなく、作業者の健康や環境への配慮などの意識が高まっております。より働きやすい安全・安心な職場環境を実現するため、作業者の健康に配慮したオール水性システムの開発が求められるようになってきました。

関西ペイントは2018年9月、業界初の『オール水性 有機則フリーシステム』を発売し、その後も改良を進めてまいりました。今回2度目のバージョンアップとなる『EV システム 3.0』は、クリヤーにおいて溶剤塗料並みの作業性・乾燥性を実現したほか、ブラサフ・ベースコート・クリヤー・硬化剤及び希釈水等の全てにおいて有機溶剤中毒予防規則 (有機則) 非該当化*を達成した製品群となります。加えて、業界初となる水性塗料の耐スリ傷性クリヤー、水性プラスチックプライマーをラインアップしたほか、艶消し仕様への対応も可能となり、システムの補修範囲が格段に広がりました。* 有機溶剤中毒予防規則の対象物質の含有率が5重量%以下

「安心で安全な職場環境」と「実用性」の両立を可能とする『EV システム 3.0』を導入することで、人 (作業者の健康)、環境 (臭気・VOCの低減)、会社 (設備や規制に関する費用低減) にやさしい、サステナブルなボディーショップの実現に大きく貢献します。

以上