テスラ社が先行採用したギガプレスは部品点数を画期的に削減し、ボディ溶接工程削減とコスト削減効果から、EVの量産化を目指す自動車メーカーのデファクトスタンダードになりつつある。
本方式の塗装工程への影響については、下記テスラ上海ボディ塗装工場の動画を見る限りにおいて従来方式との違いは限定的で、(1)ギガプレス部品がアルミ合金でアルミ比率Upのため前処理はリン酸亜鉛でなくジルコニウムを採用、(2)部品点数削減によりシーラー部が少なくシーラー工程の削減効果などが挙げられる。
従来方式 | ギガプレス方式 |
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部品点数: 171部品 | 下図青色部の2部品 溶接箇所: 1,600減 |
テスラ社が2024年後半に廉価版モデル3で量産開始を目指している、6つのモジュール個別に組立てる従来の組立て方式と異なる革新的な技術です。革新技術ゆえのメリット、デメリットも多く、一部専門家からモノコック構造でなく、6つのアッセンブリーの接合方式はボディ剛性が保てないと否定的な評価も出ています。
塗装への影響については左右アッパーボディやルーフ部品の剛性が不足していると、塗装乾燥炉での熱歪みが大きくなるため、接着時の接合強度に悪影響が出ることが懸念され、テスラ社は必要に応じモジュールの塗装部品を仮に締結することも検討中と推察されます。
(注) アンボックスト・プロセスの詳細は下記をご参照下さい。