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技術解説: 自動車塗装情報 - 3

テスラ生産方式のボディ塗装への影響

片山眞司

1. ギガプレス方式

テスラ社が先行採用したギガプレスは部品点数を画期的に削減し、ボディ溶接工程削減とコスト削減効果から、EVの量産化を目指す自動車メーカーのデファクトスタンダードになりつつある。

本方式の塗装工程への影響については、下記テスラ上海ボディ塗装工場の動画を見る限りにおいて従来方式との違いは限定的で、(1)ギガプレス部品がアルミ合金でアルミ比率Upのため前処理はリン酸亜鉛でなくジルコニウムを採用、(2)部品点数削減によりシーラー部が少なくシーラー工程の削減効果などが挙げられる。

* テスラ、ギガ上海の自動塗装工場の貴重な様子を公開!

従来方式ギガプレス方式
部品点数: 171部品下図青色部の2部品
溶接箇所: 1,600減
テスラ・モデル3のアンダーボディ

2. アンボックスト・プロセス(Unboxed process)

テスラ社が2024年後半に廉価版モデル3で量産開始を目指している、6つのモジュール個別に組立てる従来の組立て方式と異なる革新的な技術です。革新技術ゆえのメリット、デメリットも多く、一部専門家からモノコック構造でなく、6つのアッセンブリーの接合方式はボディ剛性が保てないと否定的な評価も出ています。

塗装への影響については左右アッパーボディやルーフ部品の剛性が不足していると、塗装乾燥炉での熱歪みが大きくなるため、接着時の接合強度に悪影響が出ることが懸念され、テスラ社は必要に応じモジュールの塗装部品を仮に締結することも検討中と推察されます。

(注) アンボックスト・プロセスの詳細は下記をご参照下さい。

トヨタもパクる、テスラのUnboxed Process (アンボックスドプロセス) とは何が凄いのか

6つのモジュール
別々に組み立てた6つのアセンブリを1つの車の形に組付けます